Unityエフェクト向けシェーダーの紹介

Unityエフェクト向けシェーダーの紹介

おはようございます
PS5新タイトルの発売日ラッシュにブログ当番にあたってしまった第一事業部デザイナーの遠藤です

今回はゲームのスパイス的な役割のエフェクトで利用するシェーダーについての話で制作したシェーダーをご紹介します

Unityでエフェクトを制作する場合

  • 1.Unityのパーティクルエンジン(Shuriken)やメッシュアニメーションを利用して制作する方法
  • 2.プラグイン(SPARK GEARやBISHAMONなど)を利用して制作する方法
  • 3.Visual Effect Graph(VFX Graph)を利用して制作する最近の方法

の3つが主にありAimingではいずれの方法も利用しています。今回ご紹介するのは1の方法で利用するシェーダーです。これから3のVFX Graphへ移行してゆくのだろうと思いますが、個人的な感触ではまだまだ1も現役といった印象です

Shurikenの利用に特化したシェーダー

このシェーダーを開発した当初の2018年頃ではShurikenの機能をフルに使えるシェーダーがあまりなく、この頃あったエフェクトシェーダーといえば「何でもできる、凄いことができる・・・がモバイルには向かない」といったようなシェーダーが多く、スマホゲームで利用するには各プロジェクトのエンジニアがゼロから制作しないといけない事が多くありました

私自身もエフェクトを制作していて「Shurikenで完結したいができないので、シェーダーを追加しメッシュアニメーションと組み合わせて作る」という機会があったので汎用的でShurikenに特化したスマホ向けシェーダーをその当時制作しました。

  • Shurikenのカスタムパラメータをフルに扱える
  • モノクロテクスチャを汎用的に扱える
  • 安い演算だけで動作の軽いシェーダーにする
  • エフェクターが使いたい機能が揃っている
  • かゆいところに手が届くツールへのアクセスが容易

最初に考えた要件定義は上記のとおりです

主な機能

モノクロ画像変換

カラーテクスチャももちろん利用できますがモノクロ画像を使って画像を作ることに特化したカラー演算の工程になっています。半透明にしたあと色々と加工し、アルファとして再利用するという流れです

グラデーションモード

モノクロの画像とグラデーション画像をつかって複雑な色を生み出します。またグラデーションをスクロールさせることで複雑なアニメーションをつくることができます

グラデーションエディタ

前の項目のグラデーションモードから素早く起動ができます。UnityのグラデーションUIを利用して編集ができ再編集が可能なデータと1ピクセルの小さなグラデーション画像に変換ができます。

フレーム間ブレンド


シーケンスの連番テクスチャを利用する際にフレームとフレームの間の絵を補間することで滑らかなアニメーションを実現します

テクスチャディストーション


ポスト処理やGrabテクスチャを利用した歪みは多くありますが、こちらはテクスチャを歪ませます。見えてはいけない境界がみえる不都合なども起きる場合はありますが、テクスチャのレイヤーで歪むことで軽く破綻がしづらい処理をすることができます。カスタムパラメータを利用しアニメーションすることも可能です

モジュール単位のコピーツール


これくらいは標準でできてもいいのでは、と思う機能なのですが意外とないので追加しました。「他のパーティクルの動きだけを流用したい」といった場合が時々ありますが、そういった場合に利用します

タイムラインエディタ


ライフタイムやディレイなどパーティクルノードが増えてしまった場合に調整するのが面倒になりますが、これらを視覚化して同時に編集することが可能なツールです。

これらを組み合わせて・・・

組み合わせるとモノクロの画像でも表情豊かな色の変化を作れます
複雑にはみえますが比較的処理の軽い演算の積み重ねなのでスマホで十分の軽さで動作します

 

最後に

ずらっと機能を書いてわかりづらかったと思いますが。今回の記事で少しでもエフェクトやシェーダー、そしてAimingに興味を持っていただけると幸いです。

希少種のみなさん・希少種に興味があるかたへ
そして、今回ご紹介したエフェクトやツールを作成する方はゲーム業界では希少種と呼ばれることが時々あり。不足している職種です。

エフェクトデザイナー

ゲームの他の職種に比べてエフェクトデザイナーは誕生してからまだ間もない職種です。それゆえに人口も少なく育てる・教える環境も少ないですが、弊社では今回とりあげたように制作とスキルアップの両面の環境のサポートから行えるスタッフもいますので興味を持たれた方は、下の方にある応募からぜひご応募ください。

テクニカルアーティスト

実のところ、弊社のテクニカルアーティストには色んなパターンの方がいます。シェーダーやツールを作る方もいれば、普段はデザイナーとして従事しデザイナーが苦手なGitHubやMayaの細かなツール、新しいツールの利用などを積極的に教えてみんなを助ける方もいます。ゲームはさまざまな仕事があるので総合的なパフォーマンスを重視しています。「もしかしたらこの力が役にたつかも!」と興味を持たれましたら下の方にある応募からぜひご応募ください。

採用ページはこちらです