新人研修もやっています

新人研修もやっています

第1事業部でプロデューサーをしている小田です。運営中の『戦国大河』と、開発中の『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』の担当をしています。

以前、データ分析についてのブログを書かせていただいたのですが、私はこのデータ分析とSQLをネタに新人研修をさせてもらっています。
真のアクティブユーザーを探して
興味があったらこちらもどうぞ。

今回はこの新人研修ついて書かせて頂こうと思います。とは言っても「どういうことを教えているのか」という内容ではなく、「どういう方法で研修を進めているのか」という方法論についてを書かせていただきます。内容としてはざっくりと言うと、KPIの見方やデータ分析の手法、SQLを用いて実際に分析をしてみるというようなことをやっています。
今日お話しする内容は、これまでいろんな本を読んだり、知り合いの塾講師に話を聞いたり、自分の経験から試行錯誤して、実践していることとなります。もし、研修の講師などをしていて、どうすればいいかと悩んでる方がいらっしゃったら、一つの例として参考にしていただければと思います。

研修において一番重要なことはなんでしょうか?
それはもちろん、研修を受けている人たちが内容を理解して使えるようになることです。研修を受けても全く理解できてないとか、面白く話を聞いたけど特に使えないという状態ではダメだと思います。そのためにどうするべきでしょうか?
・研修の資料を作り込むこと?
・うまく話ができるようにトーク術を向上させること?
もちろんこれらも大切ですが、自分はあまり重視していません。自分が一番重視していること、それは可能な限りアウトプットさせることです。知識というのは本を読んだり、話を聞いただけでは定着しません。アウトプットしてやっと定着するものだと思います。

では、実際の研修でどのようにアウトプットさせるべきか?自分が実践していることをお話しします。私はアウトプットを三段階に分けて行ってもらうようにしています。
第一段階:質問に答える
第二段階:人に教える
第三段階:問題を作る
これらを順にどのようにやっているか説明させていただきます。

第一段階:質問に答える

私の研修では研修時間の半分は、新人の皆さんに話してもらうことを意識的して進行しています。何かについて私が解説をしたらすぐに誰かに質問を投げて、答えてもらいます。例えばこんな感じです。

小田「AUとはアクティブユーザーの略で1日にログインしたユーザーの数です。では、Aさん質問です。AUとはなんでしょうか?」
Aさん「1日にログインしたユーザーの数です」
小田「そう!素晴らしい!ではBさん、1日にログインしたユーザーが100人、そのうちクエストをクリアした人数が50人だったらアクティブユーザーは何人でしょうか?」
Bさん「100人でしょうか?」
小田「完璧です!ではCさん、クエストをクリアした数というのも意味はあると思うのですが、いかがでしょう?」
Cさん「はい、実際にプレイしているという考えではクエストクリアしてるユーザーの方が近いと思います」
小田「いいですね!天才!」

というような形で進行しています。解説したらすぐ質問です。すぐに研修受講者にアウトプットを求めます。こうすると、受講者にも良い緊張感が生まれます。一つ目の質問などは、自分が話したことをそのまま繰り返して答えればいいだけなので、誰でも答えられます。ですが、当然聞き逃していたら答えられません。一つ一つの解説を聞き逃さないようにしなければなりません。そういう意思を持ち、緊張感を維持して話を聞くのは意外と難しいものです。

後もう一つ、ここで気をつけていること。それは、褒めることです。「人を動かす」という本でカーネギー先生も言っています。人を動かすのに一番重要なことは褒めることです。「いいね!」「完璧!」「ほぼ正解、すごい!」「天才!」人を褒めても誰も損しません。みんなでお互い褒めあって生きていく世界が訪れることを私は願っています。ちなみに、研修中にできるだけ全員に「天才」と声をかけるようにしています。これまで私の研修を受けた方で言われてないよという方、言い忘れてました、あなたも天才です。

第二段階:人に教える

少し昔話をします。私は広島の田舎で生まれました。住んでいた小学校の学区内の人口は1000人を割り込んでおり、小学校の全校児童数は30人程度でした。こうなると一学年が5人くらいになります。

皆さまは複式学級というシステムをご存知でしょうか?
違う学年が同じクラスで勉強するというようなシステムです。田舎が舞台として描かれたアニメなどがいくつかあると思います。そのアニメ内でも違う学年の生徒が一緒に勉強しているところが描かれているのを見た事はないでしょうか?ああいうイメージです。私の学校では、2学年ごとのクラスで分けられていました。
そして、今思うと少し独特のやり方をやっていたように思います。1年生の1年間で2年分の過程を全て終わらせてしまうのです。1年生で2年生の内容も終わっているので、2年生になると同じ内容をまたやることになります。その際、2年生が1年生に勉強を教えるのです。実質マンツーマンのような形で授業が進みます。この方法は、私的にはかなり効率的な方法だと思っています。小学生くらいの内容であれば、付きっきりで教えてくれる人がいれば1年で2年分くらい進めるのはそう難しくありませんでした。また、上級生は下級生に教える過程で、自分が分かっていなかったことを再確認し、深く理解できるようになります。

ということで、二段階目のアウトプット。
「人に教える」という話になります。一通り講義が終わったら、実際にデータベースにアクセスしてSQLを使う実習をやっています。前段階の講義中の反応で、理解が高そうな人と苦戦している人を見つけておきます。で、それぞれをペアになるように席を移動してもらいます。まず、私の方から問題を出させてもらい、それぞれに解いてもらいます。全員が何もなく解ければ問題ありませんが、難易度を上げていくと必ず解けなくなる人が出てきます。その際は、ペアにしている隣の人に教えてもらうようにお願いします。この実習では、必ず全ての問題を全員が解けるまでやります。隣の人が教えても無理なら、他の人に教えてもらい、ダメなら何が分からないか確認しつつ、自分からも教えます。
分らない人も解けるまでやるという強い意志を持てますし、教える側は自分の教え方で伝わらないのは何故なのかを考えることができます。
私自身にも毎年、学びがあります。

第三段階:問題を作る

遂に最後のアプトプットです。研修の時間としては、ここまでの2段階で半分くらいで、この三段階目に半分の時間を使っています。いつも時間が足りなくなります。
内容としては、まず受講者に半分ずつのグループに分かれてもらいます。そして、第二段階で私が出していたような問題をそれぞれ考えてもらいお互いに出し合って解いてもらいます。第二段階で公開されていたデータベースに登録されているデータから、どういうものを出すとゲーム運営に有益か。自分ならどういうデータを出してみたいと思うか。という観点で考えて話し合ってもらい、問題を作ってもらうのです。

質問に答える、人に教える、という経験をしたことがある人は多いでしょう。ですが、質問自体を考えるという経験をしたことがある人は少ないのではないでしょうか?おそらく講師をやるなどという経験がないと、きっとその経験はないでしょう。
私もそうでした。初めてこの研修を任されたとき、問題を作っていて気付いたのです。今まできちんと理解していないことがこんなに多かったのかと。そして、問題を作るという経験を受講者にもしてもらおうと思い立ち、研修内容に盛り込みました。
この最後の実習は受講者にも評判がよく、いつも面白い研修だったと言ってもらえます。たまに、出される問題が難しすぎて、私自身もそれを解くのが苦労することもあります。

終わりに

人に理解してもらう、知識を使えるようになってもらうのは難しいものです。自分自身が常に勉強を続けていかないとと研修の講師をするたびに毎年感じます。

仲間を募集中です!

株式会社Aiming 第1事業部では一緒にゲームを作る仲間を募集中です!!
中途採用 → 積極採用中です! あなたの経験をフルに活かしてください!
新卒採用 → 未経験者も含め、熱意あるみなさまを歓迎します!
詳しくは採用ページと事業部紹介ページをご覧ください!

採用ページ
https://recruit.aiming-inc.com/career/

事業部紹介ページ
https://recruit.aiming-inc.com/division/