V24 – プロジェクトの紹介 –

V24 – プロジェクトの紹介 –

こんにちは!第一事業部の遠藤 博紀です。マネージャー・テクニカルアーティスト・アートディレクターなどを担当させていただいています。今回はゲーム制作とはすこし違うプロジェクト「V24」の紹介をしたいと思います


プロジェクトの概要

V24はビジュアルアートデモ2024の略で、技術向上とPRを兼ねて、ふだんのスマートフォン向け開発の中ではあまりできない手法や表現を短いデモリールを作成して行うというプロジェクトです。
また、このプロジェクトは㈱ドキドキグルーヴワークス様、㈱スカイアーツ様と一緒に制作を進めさせていただきました。もちろん他のプロジェクトでも他社様と協力して進めているプロジェクトはありますが、V24では今回特別にブログ記事にも協力いただきましたので、ご期待ください!

こちらが作成したリールです。

BGM : ©Composer Squad


内容

■デザイナーだけで構成されたプロジェクト

ゲーム開発では生産コストやゲーム要件からクオリティを断念する機会も多くあります。当然、商品なので制限の中で開発することはとても重要ですが、その反面、制限が強すぎたり制限が長期になることで新しい試みや個人の成長が阻害されるのはクリエイティブな活動においては本末転倒です。今回は参加メンバーをデザイナーに絞ることで制限なく自由な発想で進められるようにしました。

※注:このように書くと「他職種とのやりとりが発想を阻害しているのか!?」「仲が悪いのか!?」と誤解して聞こえると思いますが、実際は他職種が絡み合うことで良いものができ、相談しながら和気あいあいと制作しています。

■お題にそった5つのシーンを制作

UI・キャラクター・エフェクト・背景など、それぞれに重きを置いた5シーンをつくることにしました。また、それぞれのシーンにはお題をもうけるようにしました。

■制作環境はUnity・HDRPを利用

ふだんの開発ではURPを使い最近はアニメ調のものを作ることが多いですが、我々は物理ライティングを扱うリアル調も制作ができます。これらをアピールできるような環境で制作することにしました。また、Unityは将来的にレンダリングパイプラインの統合を明言されていることも考慮しHDRPの理解を深めることも考慮しました。

また「検証からはじめるには期間が足りない」「重くなるから入れたくない」などと敬遠されがちな市販のプラグインも多く活用しました。ゲームエンジンを使う利点でもあるプラグイン活用を積極的に使うようにしています。


リールの構成

リールは、お題にそって作成されたシーンを並べたもので全体は2分程度を目指しました。これは制作期間もありますが、協力会社様との打ち合わせや採用イベントなどで利用することを考慮して短く簡潔なものになるようにしました。また、シーンにはお題とゲーム向けにリアルタイムに動作していることわかるブレイクダウン映像を入れるようにしました。


5つのシーン

シーンごとにお題を決めましたが、お題のキーワードとしたものは以下のような内容です

■キャラクターUIのシーン

主に3Dを使ったUI表現のためのシーンです。弊社のつくるゲームでは現状は平面的なUIのものが多く3D的な表現をすることがあまりなく、特に3Dモデルと親和性の高いUIを作る機会があまりないので、これができる内容にしました。

  • UIのお題

    • 3D空間上に配置されるUI表現
    • 1ピクセル以下のラインを使った繊細な表現
    • 3Dキャラにフォーカスした、シンプルで主張しないUI表現
    • コントローラ操作を意識したUI表現
    • 半透明と拡縮だけじゃないアニメーション表現(シェーダー)
    • アイテムアイコンの3D表現
  • キャラクターと背景のお題

    • 物理ライティングを使った制作
    • ダイナミクスを使った揺れものの表現
    • Aimingの作歴にないハード/リアル系のデザイン
    • IKを使ったキャラクターのセットアップ
  • エフェクトのお題
    • 破壊シミュレーションを使った表現
    • VFXグラフを使ったエフェクト制作
■巨大モンスターモデルのシーン

弊社ではRPGやシミュレーションのタイトルが多く1画面や1区画にキャラクターを納めることが多いため、プレイヤーの何倍もあるような巨大なモンスターをデザインすることが多くありません。このため肉の伸縮や揺れの表現をすることも少ないのですが、この表現が挑戦できる内容にしました。またキャラクター制作にスカルプトを使うことも多くないため、スカルプトの利点を活かせるデザインにするようにしました。

  • キャラクターのお題

    • 画面におさまりきらない、プレイヤーの10倍以上あるキャラクター
    • ダイナミクスを利用する揺れものが付いている
    • 筋肉の伸縮、贅肉の揺れの表現
    • IKを使った高低差のある地面表現 (最終的にこれは表現できず、別の場面で表現しました)
  • エフェクトのお題
    • 破壊シミュレーションを使った表現
    • VFXグラフを使ったエフェクト制作
■エフェクトのシーン

このシーンは担当者の時間が1ヶ月しかなかったので検証を含めると大きなことはできませんでしたが、法線などのライティング情報のある連番素材を扱うエフェクトを制作する機会がスマートフォンゲームでは少ないため、これを踏まえた内容にしました。

  • エフェクトのお題
    • リアルなシーケンス素材(炎・煙)を作成することができる
    • VFXグラフを使いミリオンパーティクルを使った表現ができる
■屋外の背景シーン

弊社でつくるゲームは狭い範囲でプレイするゲームが多く広大なフィールドをリアル調の美麗なグラフィックで作る機会があまりないので、これが実現できるような内容にしました。

  • 背景のお題
    • 物理ライティングをつかったモデルとシーンが作成できる
    • LODなどリアルタイムに表示するための一連の対策をすることができる
    • アセットを活用し、短い期間で高品質な背景を制作することができる
■屋内の背景シーン

屋内のシーンではライティングがリアルタイムであることをより強調できるようなシーンを目指しました。モバイルでは処理負荷の都合上、ライティングが静的な前提でデザインする機会が多いのですがスペックの向上に伴い、デザイン面でも動的なライティング表現を求める傾向にありますので、これらに対応できるようなシーンの制作を意識しています。

  • 背景のお題
    • 物理ライティングをつかったモデルとシーンが作成できる
    • ボリュームライトを使った空気感のあるライティングが表現できる
    • 背景が動くことでライティングも動的に変化する表現ができる

このあとシーンごとの記事を書きます

今回の内容を通じて、ふだんのAimingのゲームとは違う側面や、表現や技術の向上のため日々取り組んでいる様子がすこし伝われば幸いです。今回は各シーンの紹介になりましたが、このあと各シーンの紹介記事を担当者に書いて頂く予定ですので、ご期待ください!

デザイナーを募集中です

Aimingではより良いものを追い求める技術向上や表現の追求に興味があるデザイナーを募集中です。今回はデザイナーの話をしましたが、企画やエンジニアも同じような方々が集まっている会社です。このような環境でゲームを作りたいと思った方は、ぜひ下記の応募欄から応募をお願いいたします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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