V24-キャラクター、モンスターモーション

V24-キャラクター、モンスターモーション

はじめまして、第一事業部のデザイナー小嶋と申します。
v24ではキャラクター(トワリカ)とモンスターのセットアップ、モーションを担当しました。

V24の概要および紹介については以下リンクにてご確認くださ い。
V24 プロジェクト紹介記事

制作したリールはこちらとなります。

BGM : ©Composer Squad


 

はじめに


今回のプロジェクトのモーション制作フローについてお話します。

v24では各パート担当のデザイナーとアートディレクターの方と話し合い、各シーンのカット数とどのようなアングルでポーズ、モーションを映すか決めていきました。
(普段は企画さん達が仕様書を作ってくれた内容に沿ってデータを作ります)
カメラが何度か切り替わるセクションでは2D担当の方に絵コンテを用意していただき、その内容に沿ってカメラとモーションを作ってます。

MAYAでキャラクターとモンスターをセットアップした後、ラフモーションを作成します。
Unityでラフモーションをシーンに配置してカメラアングルが完成した後、アニメーションや細かい設定を作り込んでいきます。


 

モデルのセットアップについて

キャラクター「トワリカ」のセットアップ

トワリカのラフモデルをいただいてからボーンの配置をモデル担当の方と相談しつつ決めていきました。
トワリカのボーンは基本の人体骨格構造と同じように配置し、揺れ物についてはボーンを配置して動かしながら確認して配置数を決めていきました。

こちらが完成したトワリカのリグ画像です。
揺れもの(マントやスカート、髪の毛など)に骨を入れましたが、v24では基本的にMagica Cloth2を用いて揺れ物をシミュレーションで動かしています。
※Magica Cloth2については後述します。

 

モンスターのセットアップ

こちらもキャラクター同様ラフモデルをいただいてからボーンの配置を決めていきました。
またモンスターには筋肉や顎まわりに補助ボーンを入れて細かな動きや筋肉の表現が出来るようにしてます。

武器のセットアップ

武器のセットアップもアートディレクター、担当モデラーの方と相談しつつセットアップを進めました。
トワリカの武器は可変することが出来るので各パーツにジョイントを配置しリグを制作しています。

武器のリグ
可変時の動き 剣の状態から斧に可変します。

 

Unity上でのセットアップ

「トワリカ」の揺れ物セットアップ

Magica Soft様にて開発されたクロスシミュレーションシステム、Magica Cloth2を用いて揺れ物を動かしています。

Magica Cloth2

今回トワリカの揺れもの(マント、髪の毛、スカート)に適用しています。
揺らし方には2種類あり、ボーンクロス(ボーンのトランスフォームでシュミレーション)とメッシュクロス(メッシュ頂点を動かしてシミュレーション)があります。

シミュレーションの設定後に揺れ物がモデルに貫通しないようにコライダー(衝突判定)を配置していきます。
白いアイコンの部分はシミュレーション時に動きに合わせて自動で動いてくれて、赤いアイコンがある場所はシミュレーション時動かない箇所です。

今回のプロジェクトでは各パート毎に適した揺れ方をさせるために設定を変えて作成しています。

ボーンクロス適用の状態
メッシュクロスの状態

 

一部動きが激しいシーンなどでは意図しない動きや揺れ物の形状が破綻することがありました。
その為マギカクロスで揺れ物を動かした後UnityのRecorderを使いMAYAにFBXデータとして出力、MAYAで揺れ物を微調整してから再度Unityに出力して調整しているシーンもあります。

FinalIKを用いた足の接地

RootMotion様から販売されているプラグインFinal IKを用いてキャラクターの足が地形に沿って設置するようにしています。
Final IK

:電球:IKとは
IK(Inverse Kinematics:インバースキネマティクス)とは先端の骨(ボーン)の位置を決めてから各関節の骨位置を自動で決めていく制御方法の事です。
余談ですがIKとは別にFK(Foward Kinematics:フォワードキネマティクス)でボーンを制御する方法もあります。
FKでは各骨の角度や位置を指定してポーズを作る手法です。

左:IKを使った足の制御 エンドエフェクタを動かすことによってポーズを作ることが出来る      右:FKを使った足の制御 各関節の骨を触ってポーズを作ることが出来る

Final IKには様々なIKコンポーネントが含まれていますが今回はFullBodyBipedIKとGrounder FBBIKを使っています。

FullBodyBipedIKを適用した状態
Grounderを適用してない状態

 

Grounderを適用した状態 地形に沿って足の回転と位置を調整してくれている状態

 

モーションについて


まずモーションを作る前にキャラクター設定(キャラクターの性格や特徴)や世界観を把握してポーズから制作していきます。
各キャラクターのモーションイメージは以下のように作りました。
トワリカはクールな女戦士をイメージしつつ、女性らしさも表現するように各パートのモーションを作りました。
モンスターは人間よりも巨大な生物なので、質量が大きく重みある動きと贅肉や筋肉の表現もするように作成しています。

今回作成したシーンのモーションを一部解説します。
UIシーンでは画面繊維に合わせてキャラクターのポーズもシームレスに移行するように作成しました。
また各画面でどのような事が出来るか、キャラクターや画面を見るだけで分かりやすいポーズ、アングルにしています。
各画面のイメージは以下の通りになります。

■デフォルト画面
ただシンプルに立たせ正面から映すのではなく、トワリカのキャラクター性を出すように意識して作りました。
座ってリラックスしている状態(戦闘準備前)→立ち上がって各装備(戦闘準備に入る)画面に流れ、動きを大きくするイメージで作っています。
また座ることによって墓石に書かれたUIを画面内に納まるカメラレイアウトにしています。

■スキル選択画面
UIだけではなく選択したスキルを手のひらに映し、どのような魔法が打てるかキャラクターのポーズで表現しています。
デフォルトの横画面から俯瞰視点にしてカメラを大きく動かすことによって、画面が切り替わった表現をしています。

■武器選択画面
キャラクターよりも装備している武器を目立たせ、煽り視点で映すように作成しています。
現在どのような武器を装備しているか分かりやすいようなポーズにしています。

■魔導書選択画面
バストアップショットにしてメインとなる魔導書も映るようなアングルにしています。
他の画面ではキャラクターを大きく表示する機会が無かったのでここで大きく表示させています。

 

モンスターのシーンではモンスターの巨大感や強さを表現するためモーションだけではなく、以下のようなことを表現しています。
冒頭のカットでは体が収まりきらないように映し、モンスターが足を設置した時画面の揺れ幅を大きくして巨大さ、重さを表現しました。
上手と下手の法則に則ってカメラはやや下手側に、モンスターは上手側に居て最後下手側に向かって咆哮させています。

:電球:上手と下手の法則

上手(画面右側)と下手(画面左側)の法則を簡単に説明します。
上手(画面右側)は強い、安定、見下ろす動き等
下手(画面左側)は弱い、不安、見上げる動き等
※全ての映像作品がこの法則に則って作られている訳ではありませんが巨大な生物やロボットが出てくる作品にはよく見られる演出です。

まとめ


普段は企画、運営、エンジニアの方とユーザーにとって良いゲームを製作するために議論をします。ですが今回はデザイナーメンバーのみで議論を重ね、キャラクターとモンスターの設定や画面の見せ方などを各担当デザイナーの方と共に考えて制作が進行でき非常に楽しく制作ができました。普段はMAYAでの作業が多いのですがUnityプラグインによるキャラクターの制御方法も学べたので非常に良い経験を得られました。今後もプラグインとMAYAを併用しつつ、より良い作品を制作していきたいなと思います。

ザイナーを募集中です

Aimingでは、より良いものを追い求める技術向上や表現の追求に興味があるデザイナーを募集中です。今回はデザイナーの話をしましたが、企画やエンジニアも同じような方々が集まっている会社です。このような環境でゲームを作りたいと思った方は、ぜひ下記の応募欄から応募をお願いいたします。

最後まで読んでいただき、有難う御座います。

株式会社Aiming第1事業部では一緒にゲームを作る仲間を募集中です!!
詳しくは採用ページと事業部紹介ページをご覧ください!
■採用ページ
https://recruit.aiming-inc.com/career/
■事業部紹介ページ
https://recruit.aiming-inc.com/twilo/