仕様を書く上での心掛け

仕様を書く上での心掛け

初めての方は、はじめまして!
前に私が書いた開発者ブログを読んでくださった方は、お久しぶりです!
第1事業部でプランナーをやっております、町元です。

前回は『ゲームプランナーとはどういった仕事をするのか』を私の体験を元に紹介しました。
 ■前回の私のブログ記事:https://developer.aiming-inc.com/other/post-7499/

私のここ数年間メインの作業が仕様作成なので、今回のブログ記事では、
常日ごろ考えている仕様を書くにあたって心掛けていることを2点書かせていただこうと思います。

色々な感想があると思いますが、ひとりのプランナーの考え方として読んでいただければ幸いです!

『お題:じゃんけんの仕様』で心掛けを説明

※お題があることで自分が伝えやすいので『じゃんけんの仕様』をお題にします。
※本来、仕様を考える際には、その機能や遊びを実装する目的を定めることも必要ですが、今回は省きます。

心掛け1:誰もが知っているは疑え!

まず初めに機能や遊びのルールを考える必要があります。
ですが、今回は『じゃんけん』なのでルールなんて考える必要がない、仕様書にも「じゃんけんです」とか「何が何に勝つ」かぐらいでいいのではないか、と思われるかもしれませんが……それは、間違いです。

確かに『じゃんけん』は日本ではかなりの人が知っている勝ち負けを決める遊びですが、本当に全員が知っているかというとNOです。
なので、仕様としてまとめる上で、知らない人でもわかる必要があります。

ルールとしては

・じゃんけんは掛け声の元に、2人以上のプレイヤーが、出された手の形を元に勝敗を決める遊び。
・出せる手の形は『グー』『チョキ』『パー』の3種類
・勝敗条件
  グーはチョキに勝ち
  チョキはパーに勝ち
  パーはチョキに勝ち
  同じ手の形の場合は、あいこ(引き分け)
・3人以上での勝敗ルール
  『グー』『チョキ』『パー』が全て出ている場合はあいこ(引き分け)
  グーが2人、チョキが1人、パーが1人でも数は関係なく、あいこ(引き分け)
・あいこの場合、もう一度掛け声をかけ、勝敗が決まるまでじゃんけんをします。

『じゃんけん』を知らない人がいる可能性同様に、仮に今書いている仕様が既にサービスしているゲームと同じ内容だったとしても、チーム全員が機能や作りを理解しているわけでなかったりします。
同じゲームを開発していても、違う機能の開発をしている人が知らない機能の担当になることや新しい人が入ってくるのは日常茶飯事です。
思い込みで、機能実装をする為の設計図でもある仕様の段階で伝わらない箇所が多すぎるは致命的なので、要注意です。

心掛け2:つもりは伝わらない

じゃんけんのルールを書きましたが、はたして書かれたルールだけで十分でしょうか?
口頭説明などで伝える場合は、身振り手振りを加えて説明をしているので十分だと思ってしまうことがあるのですが、仕様として考えると不十分です。

先ほどのじゃんけんの仕様を『仕様は足りているか』『わからない部分はないか』という目で見ると疑問点が出てくると思います。

■疑問点
・掛け声とは?
・あいこの時の掛け声も同じ掛け声?
・手の形ってどんな形?
・みんな違う方を向いていてもいいの?
・手を出すタイミングは?

他にもありそうですが、簡単に思いつくのはこのぐらいではないでしょうか?
では、この疑問を入れて仕様を書くとどうなるか

・じゃんけんは掛け声の元に、2人以上のプレイヤーが、出された手の形を元に勝敗を決める遊び。
・対戦者は向き合い、手を出したときに全員が何を出したか確認できる状態にします。
・対戦者全員で息を合わせ、掛け声「じゃんけんぽい」と発言。
 掛け声の終わりと同時になるように手の形を全員に見えるように出します。
・出せる手の形は『グー』『チョキ』『パー』の3種類
 グー:握りこぶしの状態
 チョキ:握りこぶしの状態で、人差し指と中指を伸ばした状態
 パー:手を開いた状態
(※通常は画像を入れて説明をします)
・勝敗条件
  グーはチョキに勝ち
  チョキはパーに勝ち
  パーはチョキに勝ち
  同じ手の形の場合は、あいこ(引き分け)
・3人以上での勝敗ルール
  『グー』『チョキ』『パー』が全て出ている場合はあいこ(引き分け)
  グーが2人、チョキが1人、パーが1人でも数は関係なく、あいこ(引き分け)
・あいこの場合、「あいこでしょ」と全員で同時発言、または誰かの発言に合わせ、勝者が出るまでじゃんけんを続けます。

こんな感じでしょうか……よりイメージしやすくなったと思います。

仕様書に足りないものがある原因として、「想定漏れ」という場合もありますが、「書き忘れ」というのも多々発生します。

自分の頭の中にはあるものの『書いたつもりになる』ことで発生してしまう問題です。
これはプランナー以外の職業の資料作成時などでも発生することなので、何かをまとめる場合に再確認は必要です!
物事を考えながら作業をするとよく発生しますので、要注意です。

心掛け2点への対策

心掛け2点への対策は、『読み直し』と『第三者によるレビュー』の2点です。
シンプルですが、やることで仕様書の精度に違いが出ます。

読み直し

本当に自分以外の人がわかる仕様になっているかという自分に問いかけながらの確認として『読み直し』が有効です。
仕様は考えながら書いたり、一気に書いたりすることがある為、読み直すと粗が色々とわかります。
仕様を書き終えてすぐだと、文章よりも頭の中の考えが優先されることが多くなる為、冷静になっている次の日に読み直すことをおすすめします。

第三者によるレビュー

「想定漏れ」「書き忘れ」を発見する為には、違った目線である『第三者のレビュー』が有効です。
自己確認だけでは、自分の思い込みも働き、足りていない部分を見逃すことが多々あります。
思い込みがない自分以外の第三者に見てもらうことで、「想定漏れ」「書き忘れ」を発見してもらえます。

プランナー同士だと、似通った目線になることも多い為、より精度を上げるならエンジニアやデザイナーにも見てもらうことで仕様の精度が上がります。

最後に……

ある日突然、自分がこれまで担当していなかった機能の担当になることや、チームに新しい人が入ってくるのは日常茶飯事です。
「あまり詳しく書かなくても、これくらい書けば通じるだろう」という思い込みで仕様を書くと、実は伝わらないことがたくさん出てきます。
長く同じチームで開発をしてると、ある程度で分かってもらえると甘えてしまうといったことも発生します。
長年やっていても、私自身も色々とミスをしつつチームに助けられているのが現状です。

どんなに仕事をこなしてきても『みんな知っているという思い込み』『書いたつもり』は発生してしまいますので、心掛けを頭の片隅にでも置いておいていただけると幸いです。
また、自分では結構気づかないので、周りにそうなっている人がいたら教えてあげてください。
円滑に物事が回るようになると思いますので……。

今回も長々と書きましたが、また機会があればブログ記事を書くこともあると思いますので、その時も読んでいただければ幸いです。

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それでは、またの機会がありましたら!